口述対策④~いざ、口述の本番へ~

さて、口述本番まであと2日となろうとしている所です。

受験生が勉強するのは今日までで良いと思います。

論文発表の日から今日までの短くて、でもとても長いようにも思える期間。

とても多くのことを勉強して覚えてきたことでしょう。

辛くて不安に押しつぶされそうにも何回もなってきたことでしょう。

でも、それももう少し。

あとは覚えた知識をどれだけ出せるか。

もしパッと思い出せなくても大丈夫。

予備の勉強を始めてから骨となり肉となった今までの知識。落ち着いて深呼吸すればきっと頭に浮かぶから。

 

 

 

とまあ本番はホント精神力勝負なんでリラックスしてください。

以下では口述前日から本番までの出来事の生の体験を書きます。

特に本番試験会場での所だけでも役に立てばと。

筆者は本番期間中もかなり遊んでたのでそこは適度に参考に(笑)

 

 

本番前日

目が覚める。ついにこの時が来た。

今日は金曜日でローの授業もあったが、行ってられない。

そう、目指すは千葉県新浦安。決戦の場所だ。

まずはキャリーバックに詰めた荷物の確認。

中身は着替え・スーツ・勉強教材・PC。

とはいえ、PCは勉強用のためではなく、ゲーム用。当然、本番会場では使えないし、口述の場合紙の教材のほうが記憶に残るような気がしたので教材はすべて紙のものにした。

基本的に向こうで勉強するつもりはなかったが、運が悪ければ会場で待ち時間が多くできてしまうため、持っていかざるを得ない。

あまり多くのことを向こうでするつもりはなく、しても素読に絞ろうと思った。最後は条文と心中しちゃえの精神である。

準備を整え、午後の新幹線までのんびりする。とにかく脳のリソースを消費しないことを意識した。

 

さて、新幹線での移動はおよそ2時間半。この時間は何をするのが得策なのだろうか。

私は30分ぐらい車窓を楽しむ。1時間ぐらい寝ながら音楽を聴く。あとの1時間をPCゲームといった配分にした。何だかんだ新幹線に乗ると気分も高まって勉強なんてできない。そう、半分旅行気分にもなってしまうのだ。

 

17時ごろ東京駅に着く。ここから新浦安へと向かうのだが、乗り継ぎまでが異常に遠い。距離にして東京駅~神田駅ぐらいあるのではないだろうか。スーツケースを持ちながらだと移動ペースも遅くなるので余計遠く感じる。

18時ごろ新浦安に着く。降りると広がる大きなイオンモール。そうか、イオンって本社千葉だっけなどと感慨にふける。多くの受験生はここでご飯等お世話になるのではないだろうか。

アメリカ西海岸のような異国情緒あるロードを歩くこと10分、試験会場の真正面ぐらいの場所にホテルがある。普段はディズニー客が使うからか、受付からビジネスホテルと違った華やかさがある。当時ハロウィーン間近であったからか、一層お祭り雰囲気だった。

受付では、2日目のチェックアウト後、スーツケースを預かってもらえるか訊いた。これは先人からの教えだが、スーツケースを持って会場内を移動するのはとてもしんどい。どこか預けておく場所が必要だと。

ホテルに入ってまず目についたのは、ラウンジにいる多くの人。その誰もがディズニーを楽しみに来た感じではない。何より、論文で使っていた水色の試験六法をみな持っている。一見して口述受験生であることは間違いない。恐らく今年の受験生もそのような光景は目にするであろう。

この光景を見ると、さすがに勉強していないことが心配になってくる。しかし、良くも悪くももう自分の学力はカンストしている。ここは自分の信念を貫こう。そう思い、自室に向かうことにする。

 

ちなみに部屋はこんな感じである。どうみても男一人で泊まる部屋ではない。父母娘で泊まる部屋であろう。

しかし、広くて綺麗な雰囲気なので心は落ち着く。泊まる部屋は本番中もお世話になる場所なので、多少贅沢しててでもメンタル面的に元気になれる場所をお勧めする。

黒塗りの部分は個人情報の載った受験票があったためである。

 

 

さて、この後普通の受験生は勉強するのであろうが、折角東京に来たのだ。大学時に上京した友人と飲むことにした。場所は新宿。本当に受験生なのか疑わしい行為である。健全な受験生にはここまでしてほしくはないが、せめて周りをブラブラしながら夕食を楽しむと良いのではないだろうか。試験会場付近は散歩をするだけでも楽しい場所である。

とはいえ、飲み会は早めにお開きにする。時間にして22時。そのまま帰れば23時すぎにはホテルに着く。しかし、酔っていたからだろうか、何故か都庁周辺の公園で1時間黄昏る。当時は雨も降っていて赴き深かった。ここは某恋愛ゲームの舞台にもなっていて、しかもととても重いシーンで出てくる場所でもあった。酔った気分を鎮めるにもよかったのかもしれない。

当然こんな時間のこんな天気なら誰もいない。その分空気は澄んでいた気がする。

 

そんなこんなで、ホテルに着いたのは24時30分すぎ。もう本番当日ではないか。

当日の心境を現したツイートがこちら。ちなみに私は両日とも午後で時間には余裕があった。

 

 

本番1日目

さて、あれだけ遅くに帰っておきながら起きたのは朝5時ぐらい。遊んでいたとはいえ、勿論ここからは戦闘態勢。アドレナリンもドバドバ出ており、覚醒していた。

午後組は昼からなのでまだまだ時間はある。とりあえず、朝食をとるなどして朝7時ぐらいまで時間を潰す。

ここから更に遊びに行くわけにはいかない。電車が遅れたりでもしたら終わりだ。ここで少しだけ勉強することにする。1日目が刑事科目でもあり、読んだのは基本刑法各論。既に5周以上はしており、流れるように読むことができた。これだけを目標にしていたこともあって、少し達成感と自信も湧いてきた。

そして11時ぐらいからは着替えてリラックス。何よりもリラックスが大事だ。

 

時間が来たらすぐそこの会場まで。この時twitterで有名な講師がいたらしい。名前は忘れてしまった。伊藤塾長は残念ながらいなかった。

受付では、受験票を渡す。この時何室の何番かがわかる。もっとも、何室かわかっても受験生には意味がなく忘れた。順番はなんと1番。

1番の人間だけは特殊な動きをして、まず、2番以外の人が体育館に集められる一方、1番の人は食堂近辺に集められる。

そこで説明を受け、いわゆる発射台に連れていかれる。

あれだけリラックスと言っていたのにも関わらず、いきなり試験がはじまるとわかると緊張するものである。もう六法を読もうが何を読もうが頭に入ってこない。試験会場での勉強をアテにするのだけでは絶対にやめてもらいたい。

幸いトイレにはいけたので緊張したらここに行くといい。立って伸びをするにはここしかない。

発射台に連れていかれるまではそれなりの時間があった。当時の心境だと無限にも思えた。いつ連れていかれるかわからないと精神衛生上も良くない。半殺し状態が続く。今思えば15~20分ぐらいであっただろうか。

そして発射台に連れていかれる。1番なんだからすぐに始まるだろうと思うが、ここでも同じぐらい待たされる。本当に緊張でつぶれそうになる。こういう時間が長ければ長いほどダメージが蓄積し、本番でのパフォーマンスに悪影響だ。とりあえず本記事を読んでくれた人には、そういうこともあると思って覚悟だけでもしとけば心持血も変わってくるのではないだろうか。

 

 

そしてついにその時は来る。補助員に連れられ、試験室へ。

入ってからも当然緊張する。

主査は無機質な高齢の男性。副査は検事にいそうな女性だった。

まず、〇室〇番を伝え挨拶したのち、マスクを外すよう言われる。慌てて座らないようにしよう。

緊張状況で刑事系というのも困ったものだ。刑事系の最初は事案が長くて、しかも口頭のみ。

半ばフラフラになりながらも、何とか窃盗罪の占有の有無が問題になっていることがわかった。ここでホッとした。何度も本番までに見た論点だ。ここまで来たらほぼ勝ちが決まったも同然。受験生はこういった状況に持ち込めるようにしよう。

あとは、覚えたことを吐き出すだけ。

精神面で回復したのちは、スイスイといける。1問よくわからない問題がったが、あれこれ答えていたら向こうが答えを教えてくれた。このような状況がまずいとも思えなかった。実際沈黙よりははるかにましだ。これも精神面のコンディションが治っていたからできたことである。

最後には、「これは難しい問題で、貴方が法曹になったらまた考えてみてください。」

と、これは合格点確信演出なのではないだろうか。これで59点なら許されたことではない。

民事の出来を合わせて考えてみて、おそらく刑事は61点。

大体こんな感じだったら61点だと思ってくれて構わない。ちなみに条文は参照せず。誘導もほとんど出されない。先に挙げた難しかった1問に苦戦したという感じである。

とはいえ、当初自分では60点を想定していた。実際60点でも非常に優位だ。明日は59でも良いのだから。野球でいうと、CS1st初戦に勝ったぐらいの感覚だろう。

 

 

以上の出来事から学ぶ教訓は

→何よりもメンタルコンディションが大事

 一問目の出来ですべてがかかっていると言っても過言ではない。とにかくそこに全て 

 を賭けよ

それを具体的事例を交えて紹介した次第である。

なおこの日の教官ガチャは普通に当たりだったと思う。